ジナジオ・オーケストラは今回もいい演奏をした。いつも思うが、ヨーロッパ水準の質を持っていると思う。本番では個々のアドレナリンが働くのか特に見違えるような響きになる。彼らは正真正銘のプロの音楽家で、このオーケストラにはよく言われる務めを果たすべき役人のような演奏者はいない。練習から本番まで、今回も順調に進んでくれた。歌手たちも素晴らしく、当地の合唱団サン・ドミンゴスもよく歌ってくれた。
曲目はハイドンからマスネーまでの数々のオペラの名曲アリアの色彩豊かなもので、2つウィーンのオペレッタの曲が入った。一つはヨハン・シュトラウス、「こうもり」からアデーレのアリア、もうひとつはレハールのメリー・ウィドウからのデュエット「唇は黙し」。
フランツ・レハールは20世紀を代表する作曲家のひとりでははないだろうか。生前ナチスに好まれた作曲家ということもあり、戦後はあまり注目されなくなったひと時代前の音楽という感が強い。初期の「メリー・ウィドウ」も素晴らしいが、ウィンナオペレッタの最後の作品といわれるオペレッタ「ジュディッタ」。なんてすばらしい音楽だろうか。豊かなハーモニー、心から湧き上がるようなメロディー。オーケストレーションはプッチーニのように厚い響き、個々の楽器を際出せるような繊細さも合わせて持っている。そして出身地であるハンガリー音楽の要素を決して失わない。
レハールの作品は音楽家の腕を磨いてくれる。どのように歌うのか。ルバートの場所、どの音にアクセントをつけるか、和声はどこに向かうのか。全て楽譜に明確に書かれている。すべて理解し、心から歌わないと未熟さをさらけ出すことになってしまう。
豊かな自然に囲まれたアレンテージョ。闘牛の牛も近くで育てられているような田舎でのウィンナオペレッタの名曲はどのように響いたのであろうか。
2 件のコメント:
お誕生日おめでとうございます。
一度ポルトガルを訪ねて、
マエストロHerr.Kodo.M.Yの指揮する生演奏を
聴いてみたいです。
Taido
どうもありがとうございます。急に投稿されて、いい意味でびっくりしました。ポルトガルにはいつでも来てください。今のところあまり指揮していませんが、来年あたり月1のペースで行きたいなと思っています。
Youtubeにいろいろ出ていますので、ぜひ聴いてみてください。
レオノーレ3番とかはなかなか良くできました。
http://www.youtube.com/watch?v=HA3SR_B0MqM&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=NWtxhdMQno4
コメントを投稿