2009年11月17日火曜日

ウィーンの市電

長い間を過ごしたウィーンの回想。時々、今でもフラッシュバックのように思い出すことがある。必ずしも悲しい出来事や暗い話ばかりではなかったが、なにしろ青少年時代からずっと、16から31歳までを過ごした土地である。本当に様々な体験をした。

異常な出来事。ウィーンで生活したことのある人なら誰でも、人種、国籍関係なく信じられない言動や行動に遭遇する。運が悪い日には身の上に起こる。普通に、何気なく、毎日ではないが、日常的に起こる。

それは今、3000キロメートル離れた地で生活していて特に「おかしい」と思える。しかしウィーンでは当たり前に、普通に起こっていた。政治レベルだけでなく、そぐそこの、身近なところで。

去年の話だったか、ちょっとしたウィーンの市電車内での出来事を収録されたヴィデオがYOUTUBEに投稿されニュースになった。実際目撃したわけではないが、よくありそうな話で興味深かった。

環状道路に沿って長年走ってきた市電、1番だったか、が廃止になり、その最後の走行を記念に携帯ヴィデオで収めた人が多々いた。その市電の40歳手前の車掌、普段は「扉が閉まりますZUG FAEHRT AB!」を告げる役目の人間が何を思ったか、満員のお客さんに車内放送でスピーチを始めた。ただその独断であろう行為でさえ本当は信じられないことだ。スピーチそのものは軽いノリながら、その市電路線の長い歴史を語るもので、雰囲気作りを思えばまだよかった。

しかしその車掌はそのスピーチを「SIEG HEIL!」で締めたのである。しかもそれに拍手するお客さんが多数いた。それに「抗議」している年配のお客さんが2,3人いて、その人に対して車掌は「冗談で言っただけです」と弁明していた。

SIEG HEIL??

それはウィーンでは普通、許容範囲の悪ノリだった。ただヴィデオに撮られ「大きくニュースになった」ので、その車掌は解雇された。

ウィーンは違う WIEN IST ANDERS?30万人もの精神異常者が存在するといわれる。

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