ただ後半、相手がセンターバックを1人減らしていた状況で、何度も絶対的なチャンスを作りながら点を終了間際まで取れなかったのはさびしいことだ。ぺナルティーエリア内で目の前が空いている状況で横パスがあったり、ゴールのシーンでもキーパーと至近距離での横パスとか、普通はあまり見られないかなり変なシーンもあった。
日本の新聞は相変わらず選手や監督、または元選手やいろいろな人たちのコメントを紹介することに終始しているが、イタリアのガゼッタはいつも記者の署名入りの文で、主観的な意見があって読んでいておもしろい。
でもきょうはオーストリア国営放送協会(ORF)発のひどい記事を見た。
オーストリアの新聞によく見る文化的壁を感じさせる文章で、その壁というのは限りなく厚く、高く、しかもはるか彼方に離れたところにある。一般的にオーストリアでは日本について、政治であれ、スポーツであれ、音楽であれ、いつもだいたい同じ文章で表現される。日本人というのは感情表現をせず、万もの群衆がナイーブな同意見を持ち、彼らが発する言葉は4,5単語程度でインテリジェンスは猿なみか、または話せる犬のようにに描かれる。読者にとっては記事の真偽などどうでもよく、たいていは外の文化の異質性を強調させた、ようするに大衆週刊誌のレベルの記事である。
まずオカダ監督の戦術は「ニンジャ作戦」と日本で名付けられているという。どういうものかといえば、「相手をいらいらさせ、すかさず一点を取り、相手の作戦をこわす、すなわち忍者戦法」とあり、あげくの果てには岡田氏の選手時代も同じようにプレーしていたという。オカダ監督は以前全く目立たない普通の一選手ではなかったか。
すしと同じで日本からすぐ連想させるもので、たやすい手段で一般読者に喜ばれようとしている。記事は読売新聞からの引用だというが、ヨーロッパ人ならともかく、日本人の記者がこういうでたらめを書くだろうか。次回の記事には、すし戦法がでてくるのか。
そのほか、真夜中にかかわらず41パーセントの視聴率があったとし、選手の生まれ故郷はにぎわったことも書いてあり、本田は「大阪の宝だ!」と叫ばれたという。本田選手の出身はどちらかというと名古屋か、石川県ではないだろうか。日本中がパニック的な歓喜に包まれているという描写で締められている。
これが天下の国営放送社の記事である。オーストリア随一のクウォリティー新聞とよばれる「プレッセ」にも、アンゲリカ・ケーラーという名の、アジア諸国のニュース記事担当で同じようにひどい書きかたをするのがいた。そのような文章を読んで何が面白いのか理解できない。
ただ、たまたまドイツTVで見た長谷部選手のインタビューでは、まず質問の意味を把握しておらず、しゃべってもそれこそ4,5単語しか出てこなかった。あれではどう思われても仕方がない。言葉ができないのは普通などと思っているのか、話せないのならインタビューなど受けるべきでない。
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