普通ラーメンといってインスタントのめんや、食べて悲しくなるようなスープを出すところや、中華レストランで出るような、ただスープにめんが入っているだけの「ヌードル・スープ」に遭遇すること多々あるものだが、ここ「飛鳥」ではスープもまさに特製で、変なくせもなく洗練されている。メニューには7,8種類のヴァリエーションがあり、どれも麺とのバランスも最高に良し。めんは生めん。
今回注文したのは「味噌ラーメン」で、薬味にやわらかいメンマや焼き豚薄切り3枚、もやし、ねぎもごまも乗ってでてきて、満足。味や量に物足りないところはなし。かまぼこはないが、なくていい。ぜいたくを無理して言えば、麺はずいぶん絡まったまま出てきて、適量をつまみだすのはなかなか難しく、そこらへんの配慮はない。普通そういうときはめんをスープの中で泳がせれば済むのだが、ここではそういう余裕がないくらいぎっしり混雑している。めんの質がつるつるしていなく、すべらないのも混雑の原因だが、ここヨーロッパではめんをすべらして食べることはしない(ほうがいい)ので、評価の対象にならず。焼き豚は特においしい。食器はプラスティックだが、デザインも好感が持てるもので全く気にならない。量もしっかりあってそれで8ユーロ。スープも最後までしっかりいただいた。
インチキものを出している日本人経営のレストランがあるところもあれば、ここ「飛鳥」はポルトガル人シェフの経営。客席から見える調理場にも日本人らしき料理人は見当たらなかった。間違いなく日本でしっかり修行してきた人で、こちらでもヨーロッパ人用の変なアレンジなしに、おそらく日本で仕事されてきたときのレシピのままで続けられている。一時期、麺の質が落ちたときがあったが、昨日は改善されていて、歯ごたえのある素晴らしい生めんだった。このシェフ、もしかしておそろしいくらい仕事しているのではないだろうか。
それでも一つだけ、変なアレンジがあった。デザートに当店自家製の小倉アイス、抹茶アイスがあるのはいいのだが、小倉にはチョコレートソース、抹茶アイスにはストロベリーソースがかかって出てきた。アイスそのものはとてもおいしいのに、こういうアレンジは失格。もったいない。
日本で深夜すぎに食べるようなラーメンはこういうものかな、と思った。いや、たぶん比べものにならないくらいおいしい。久しぶりにレストランでおいしいものをいただけた。食事が恋しくて日本に帰りたい時は、ここに来れば解消する。
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