2013年9月23日月曜日
Racismとステレオタイプ
ZONという、ポルトガル大手のインターネットサービス業者が変な広告を出した。
日本人の俳優を使って、ZON社のテクノロジーがいかに優れているか、というコメディめいた宣伝である。
ヨーロッパにおける日本人のステレオタイプは、メガネ、カメラ、チビに笑みを浮かべるといったところだろうが、
ここではスーツ姿の髪をきちんと整えた、企業のおっさんというイメージだ。
そしてZONの製品がどれだけ優れているかという会話を日本語でするコマーシャルなのだが、
広告ポスターには、"aplovado""impledível"といった、rとlを置き換えられた、間違った綴りの文字が踊っているのである…。
日本人は"r"を発音できない、というのはヨーロッパやアメリカでの通説で、こういう類の冗談はどこでもされるものだ。
しかし、これが宣伝に使われるとなると、問題があるように思える。
新たな顧客を得るのに、特定の民族、文化を少々のものとはいえ、小馬鹿にして注目を得ようというのは、どうか。
racismを日本語では人種差別、という訳になるが、ニュアンスは複雑で少なくともヨーロッパにおけるracismは、
人種差別という行為、意識よりもっと深いものがあるような気がする。
自分は、育った文化からヨーロッパの歴史に属していないので、どこからどこまでがracismと区分されるのか、よくわからない。
しかし、このZONの広告は、racismと呼べるのであろうか。
SOSRacismoという、この問題についての専門であろう団体に聞いて見たところ、racismではない、という回答がきて、少々びっくりさせられた。
なぜそうでないのか、はっきりとした理由はあげられていなかった。
もしかして、ヨーロッパにおけるracismの感覚は、アジア人を対象にするには含まれていないのかもしれない。
アフリカ出身者、ユダヤ人、ゲイなのどステレオタイプをあげれば、差別に直結するものだと思うのだが。
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