予定というが、最初診察を受け手術の話になっていたサンタマリア病院では、担当の医師の感じからあまり信頼感が得られず、セカンドオピニオンとして平行して診察を受けていたドットール・ザガロ先生に、所属する私立のルジーアダ病院を通じてお願いすることにした。
私立病院ということもあって応対はホテルのようであり、個室もそもそも車いすで容易に通れるようになっているのでかなり広い。幼児の付き添いということでヨメだけが一緒に泊まることになったが、部屋にあるソファは簡易ベットにもありその準備もスタッフにしてもらった。
もともと病院での息子の付き添いという面ではもう経験がある夫婦二人である。自分の頭の中では旅行者のように以前の病院との比較をしていた。
肝心の手術の方は前のTGAのとは天と地の違いがあるが、ベットに乗せられた息子を送り出すシーンは頭の中の深いところに刻み込まれているスイッチ手術のときのイメージと全く同じであった。そもそも父親である自分は手術に立ち会う訳でなく、ただ外で待っているだけなので悲惨な気分は同じであった。
手術は簡単なものという、鼓膜のチューブ留置とアデノイド除去である。
手術は無事に終わり、呼ばれて対面してみると息子は泣いて叫んでいてかなり気分が悪いらしい。鼻血も出しているし、咳も止まらない。アデノイドがない咳は音が違い、もっと枯れた響きがする。わんわんや飛行機だなどとうそついて気を散らそうとしたら、聞こえるらしく目を開けて反応して、そのうちこくんを眠りについてしまった。
その日やその次の日の息子は予備知識にあったように機嫌が悪く、その割に常にだっこを要求された。術後の経過も良いようで、これからの生活面での注意点や次の診察のことなども先生自らやってきてくれて話をしてくれた。
夜中の「悪魔の時間」の咳き込みはあったりなかったりで手術の効果はまだわからない。中耳炎のこともこれでよし、という訳ではなく改善される効果もで50%くらいの確率という。