2009年6月4日木曜日

巨匠の仕事

グラハム・ヴィック氏は世界に名だたる演出家。一瞬近づきがたい印象があるが、いざ仕事を始めると、ものすごく傲慢に見えて、誰に対してもすごい謙虚な姿勢で会話できる、不思議な人だ。演出にはあまり興味持たないことにしているが、人はアリのようにてきぱき動くし、作品は完璧に把握しているし、実に鮮やかな巨匠の仕事を見のがせるわけがない。まったく意外なことに、音楽に対する愛情、理解の深さは尋常でない。若い歌手には育てようという姿勢があり、ほぼ毎日なんと歌のレッスン。それも納得できる内容。ベテラン歌手に対しては、人生最高の理解者のように接する。演出は奇抜だが明確で、たいていは「そこらでよく見かける光景」に終始する。時々考え込む瞬間があるが、いったい何が頭の中を駆け巡っているのであろうか。ちなみに、結婚指輪?を小指にはめている。

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