2009年6月19日金曜日

ヴェルテルの悩み=仕事の意味

息苦しくて、収穫も多かった「ヴェルテル」も終わってはや1週間。仲良くなった「仕事仲間」とは、とりあえずこれでお別れ。わが友、バリトン歌手フアン・ホセ・ナヴァロとの日曜日の朝の稽古は、忘れないようにしたい。1カ月ぶりに再開の劇場と比べて、コルーニャでは、みなプライドにかけて、理想像を追っているのが目に見えていた。そういう追い求めているものが、自分自身にも存在しているのが、今回でよくわかった。

リスボンは、35度を楽に越す異常な暑さで、日本の夏を久々に思い出した。
ブログの更新は、これから先日届いた新しいミニ・コンピュータで。

2009年6月4日木曜日

巨匠の仕事

グラハム・ヴィック氏は世界に名だたる演出家。一瞬近づきがたい印象があるが、いざ仕事を始めると、ものすごく傲慢に見えて、誰に対してもすごい謙虚な姿勢で会話できる、不思議な人だ。演出にはあまり興味持たないことにしているが、人はアリのようにてきぱき動くし、作品は完璧に把握しているし、実に鮮やかな巨匠の仕事を見のがせるわけがない。まったく意外なことに、音楽に対する愛情、理解の深さは尋常でない。若い歌手には育てようという姿勢があり、ほぼ毎日なんと歌のレッスン。それも納得できる内容。ベテラン歌手に対しては、人生最高の理解者のように接する。演出は奇抜だが明確で、たいていは「そこらでよく見かける光景」に終始する。時々考え込む瞬間があるが、いったい何が頭の中を駆け巡っているのであろうか。ちなみに、結婚指輪?を小指にはめている。

2009年6月1日月曜日

ザイーデ

昨日はずっと晴れていて、暖かくて心地よい一日だったが、夜は必需のオペラの鑑賞。コロン劇場にて未完の「ザイーデ」、未完結編。2,3の美しいアリア。ナレーションが大活躍。トルコから帰ってきたばかりの目には、スルタン+ハレムの表現は異常に見える。トルコの旧異文化は、別世界の、今も昔もはるかに遠い存在なんでしょう。小さい劇場で、そんなに気張る必要はないけど、声量の乏しい人は、こういうところでもやっぱりさびしい。スルタン役のテノールのように、体格だけでキャスト決めているのでは?