2014年12月11日木曜日
サオカルロス劇場とパオロ・ピナモンティ
今日の新聞上の最新ニュースで、わがサオカルロス劇場の事実上の最高責任者、ピナモンティ氏が退任した、とあった。
これはシーズンが始まってまもない時期の、突然の事件で、困ったことになってしまった。
自分は毎日劇場に通っているが、劇場内では、自分は仕事上の役目からして音楽のことのみ考え、楽譜に向かうことしかしていなく、数多い劇場の人たちと世間話することはめったにない。
というわけで、今日のニュースは全く知らず、家に帰ってネット上で初めて知った。そういえば、我がカルロス劇場のニュースは、普通はネット上から知る。一見不思議なことだが、これは現実である。
そもそも、国の唯一のオペラ劇場であるわがサオカルロスは、政治力が非常に強いところであって劇場監督の人事などは、必ず政治家の息がかかっている。
現在、ポルトガルの政治は波乱の状態で、最近、元首相のスキャンダルが目の当たりにされ逮捕され刑務所に送られたように、とても安定したものではない。
それに伴い我が国立劇場もあおりをくらうのは目に見えていて、来年あたりの政権交代の際には劇場のやり方、もしかして責任者も一新する、ということは誰もが承知のことである。
この時期にピナモンティ氏が退任、となるとその次の手があるかもしれず、これからの動きはちょっと心配ものではある。
ピナモンティ氏の退任には、当然政治家からの強い圧力があった。氏は、マドリッドのザルズエラ劇場の芸術監督も兼任しており、2つの異なる契約のもとでの仕事を禁ずるスペインの法律に反するもの、としてスペインのジャーナリストに取り上げられてしまった。
とほぼ同時期に、ポルトガル国内の政治家からも氏の契約についての明細書を求める動きが国会であり、報酬について、契約内容など、いろいろなことが新聞上に書かれた。
政府発信のネット上では、ピナモンティ氏の契約書が誰にでも閲覧できる状態にある。これは正常のことであるとはおもえないが。。。
プライバシーの問題はないのだろうか。驚きものである。
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