2013年2月8日金曜日

Dervixe、リスボンのトルコレストラン。

もうそろそろ4年前になってしまうが、イスタンブールでの合計6週間の滞在は忘れられないものである。アジア大陸が始まる、カディコイ区とでもいうのだろうか、にあるオペラハウスでの仕事をしていたので、タクシムというヨーロッパ側のホテルに滞在していた自分は毎日、2大陸間を行き来していた。

アジアの反対側の国、日本で生まれ、今ヨーロッパの反対側の国、ポルトガルに暮らしているものにとっては、実にスケールの大きな、感慨深い経験をさせてもらった。

カディコイには数多くのレストランがあるが、チヤという何件も別館を増やしているようなレストランは、実に格別だった。地元のトルコ人でさえ、食べたことのないレシピも提供しているような、グルメな店である。そこに毎日のように、ある日は一日に2度足を運んだのは、必然のことであった。






こちらリスボンでは、意外にトルコ料理を提供する店がなかなか見当たらない。ひとつショッピングセンターにあったレストランは、美味しい店であったが今は姿を消してしまった。

ひょんなことから、仕事先のオペラ劇場からクルマで10分のところにトルコレストランがあることを知った。デルヴィッシェ、という名の本格的なトルコ料理のレストランである。

中に入ると、その一階には一応席があるが、混雑時の非常用らしく、来客はみな階段を登って2階の40席ほどの広さのホールに向かう。例の、トルコ独特のソファーに座って低いテーブルで食事するようなスペースもある。しかし自分は一人で来るのでそこには向かわず、普通のテーブルの席に勧められる。


店内は様々なイスタンブールの街のポスターで溢れる。あれもこれも、自分が実際行ってきたもので、大抵はその建物の名前も自然に口にできた。

話によると、このデルヴィッシュは、ケバプ店をのぞけばリスボンにある、唯一のトルコレストランだそうだ。自分にとって、トルコ料理は素晴らしいジャンルだと思うのだが、一般のポルトガル人には口に合わないのか。

さて料理の方は、期待を裏切らない、清潔感のあふれる美味しいものであった。鶏肉、牛肉料理にベジタブル料理、ケバプ類、とメニューも充分豊富である。


イスタンブールでは、チャイ、トルコの紅茶を何度なく飲むのが普通だが、この店には残念ながらないようだ。しばらく通って行くうちに出してもらえるかもしれない。


昼食メニューはドリンク、カフェ込みで6ユーロと低料金で、よく言われる「質と料金のバランスquarità prezzo」は、自分には最高点である。

混んでいる日もあるが、サービスは変わらず早い。いつも美味しくいただけるし、量は多くはないが仕事の終わりに空腹感に襲われることもないので、充分満足できる。




毎日通う劇場からは歩いてはこれそうもない距離だが、せっかくバイクで行動している身である。イスタンブールでの素晴らしい思い出を蘇させたく、これからしばらくの間、昼の2時間という長い休憩時間の間に、バイクを飛ばしてこのレストランに通うことにした。

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