2012年12月18日火曜日

ヨーロッパとポルトガル

ブログは、なぜか手持ちのipadではエラーがでて更新できないでいた。家のコンピュータでは問題なくできたはずなのだが、息子が常にそばにいるのでなかなか何かをゆっくり書くことができない。息子にとって、コンピュータ、すなわちユーチューブはヴィデオの宝庫であって、観たいものをその場で選んで観れる、そういう類いの「物」だ。テレビなんて全然観ない。自分が観たいヴィデオをいつでも、好きなときに選ぶ。言語なんてごちゃごちゃで、日本語やポルトガル語、スペイン語や英語などおかまいなし、トルコやアラブ語のヴィデオも観るときがある。自分が小さいときは、日々のテレビ番組の時間に生活を合わせていたような気がするので、立場が逆転している。

この国、すなわち「我が」国ポルトガルは異様な雰囲気になってきている。いままで自分の収入なんぞは国の豊かさや経済的な動きとは全く無関係で、経済危機など身近に感じることはないと思っていた。しかし、トロイカ政策やらでここ数年公務員対象に給料カットがはじまり、ここ2年給料の10パーセントにさらに年に2月分でていたボーナスも全額カット、となるとかなり身にしみてくる。最低の年、と思われた2011、2年より来年さらに大幅な税金アップとなると、生活費をまかなえなくなってくる人はどうするのだろうか。ポルトガル人はオーストリア人などと違って蓄えをするような生き方をしてきた国民ではない。家賃や光熱費など、払えなくなってきたら払わないままほおっておく、そういうスタンスである。

かなりの蓄えのある人にとっては、投資のフリーパス状態の大チャンスである。いつの日か、人がまた正常に給料がもらえる日が来て払える物を払えるようになるのだろうが、その未来の日に儲けるのは今日、投資する人たちである。これがもともとこの国の問題であった、貧富の差をさらに広げることになるのは火を見るより明らかだ。

70年代の革命は多くのポルトガル人にとって誇りである。民衆の力によって自分たちの国を動かせた事実が自信になっているように思える。

今回の大ピンチはしかし、直接の原因になっている対象が国内にない。ヨーロッパ同盟、すなわちEUの政治を相手にしてはいまのところ、全く発言力も影響力もないので、言われるままである。同盟に参加したときから、ポルトガルは最貧国の一つで地理的にも経済的にも不利な位置にいた。常にEU内で経済的援助を受ける立場で、今日の世界的経済危機にあって責任を取られている格好だ。個人的には、この膨大になった国の借金なぞはまず返済しきれないのではないかと思う。

もしかして、EUから出てしまうことになってしまうのだろうか。