見ている限り、50歳前後のご夫婦は仕事を完全分業されていて、お菓子製業を担当するおばちゃんは時々顔を出されるくらいで店内サービスは旦那さんが受け持つ。
お菓子はすべて店の生産であり、エヴォラ市でさえよくみられる一般工場で作られたものではない。一見で伝統的なレシピを少しのブレもなく繊細に作られていることがわかる。国内のカフェにはどこにでもあるパステル・デ・ナータでさえ、ここでは驚くほど美味しい。大量生産されているリスボンのベレンのものの比ではない。
カフェの名前は伝統菓子の一つであるパオ・デ・ラーラから来る。パオ・デ・ラーラはかなり乾いたもので普通はあまり美味しいものとは思わないが、こちらのカフェのものはいうまでもなく食べて見る価値のあるものである。常に様々な大きさのパオ・デ・ラーラが陳列されており、小さいものでも一つ30ユーロほどする高価なものだが、見た目も美しく、味も口当たりも完璧なバランスでどう考えても金額に見合っている。ヨーロッパのケーキ類は雑に作られていると発言する人はこういうカフェを知らない人であろう。
リスボンではクリスマスの時期にしか見かけない、切った食パンを揚げてシナモンと砂糖をまぶした「ドラーダ」がここでは年中置いてある。何かアレンテージョ州特有の理由があるのかも知れない。
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