この国には頼りになる経済的な柱がない。というより、自国の製品が市場にない。片田舎のアーレンテージョで買い物しても、フランス製のジャガイモ、スペイン産のトマト、海産物もポルトガル産のものが見当たらない。外に出れば農家があふれているのにこのスーパーでは自国産の野菜がかえない。こういう状態では、どうやって自国の経済を立て直していくのかよくわからない。だからといって、外国製品の不買運動なんぞは起こらないし、今夏ボーナスが出なくても意外に本気になって怒る人もあまりいないだろう。
自分には投票権がないので、国を変えようとしている人に一票をあげたくてもできない。とはいっても、この国を建て直す、と嘘ぶる次期首相候補もいない。投票権があっても、誰が首相でも何も変わらないだろう、というのが大方の意見でよってこれからも何も変わっていかないだろう。これがポルトガル、という国である。