2010年3月15日月曜日

ÇIYA

ヨメと去年のトルコでの思い出話をしていて、またレストラン「チヤ」の話になった。このレストランは、イスタンブルのアジア側のカディコイ区にあり、一般旅行者には遠く行きにくいところだろうが、そこはオペラ劇場の仕事をしている関係、なぜかアジア側にある劇場からすぐ近くにあり、幸運にも滞在1,2日目くらいに仕事仲間に紹介されて行ってみた。そこはオペラの仕事をしている強みである。毎日のように通い、結局仕事がない日にも船に乗ってわざわざ食べに行くほど、大変お世話になった。

料理はケーバプのようななじみ深いものもあったが、大半はいままで見たこともないようなもので、材料の組み合わせ、味付け、におい、色など目からウロコとはこのことで、どれも味は軽めで、とにかく素晴らしかった。生まれて初めて食べるものばかりだったが、実はトルコ人でも見たことがないような、紀元前のレシピの料理も置いてあるらしい。もとはトルコの東方の伝統料理のようで、それは素朴ながら自分の目には最高に洗練されているものだった。肉料理は羊肉中心で、野菜、豆を使ったいわゆるベジタリアン料理もたくさんある。魚料理はなかった。サラダバーは12種類ほど種類があり、これも今まで見たことのないものばかりで、印象的だった。ギリシャ料理で必ず出てくる、名前は忘れたがあのご飯を薬草の葉で包んであるもの、もあったが全くちがうものかと思うくらいおいしかった。これらの料理は、外国のどんなトルコ料理店でも食べることはできないだろう。パセリのジュース、ヨーグルトスープ、オリーブの実のデザートなど、他のどこで体験できるだろうか。本当に驚きの一言。

イスタンブル市内に数多くある、マーケティングに乗った高級料理店でもなく、旅行者にそれらしいものを見せかける料理でもなく、ただ伝統料理の良さを生かし、現代風にアレンジしたものを出し、地道に続けている店という印象を受けた。入口に5,6種類の日代わりメニューが作り置きされており、特に自分のような旅行者のお客さんは料理を指さして注文ができる。ここで本当に底の深い、終わりを知らないファンタジーにあふれた料理をとことん堪能させてもらった。

いつかまたイスタンブルに仕事に行きたいと思うが、それはこのレストランが存在するからでもある。今まで知ることのできた世界のレストランのなかでも、ずば抜けてナンバー1である。値段は、もちろん品の種類にもよるが、ふつうにサラダ、スープ、本料理、デザートで15ユーロを越す程度。残念ながら、アルコール類が置いていないが、トルコ伝統料理なら当然のことで、代わりにヨーグルト飲料のアイランを飲む。そういえば、お米料理のことをトルコ語で「ピラフ」という。トルコ語語源の単語を発見した。

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